肩関節周囲炎

肩関節周囲炎とは? 

肩関節は身体の中で動く範囲が広いという特徴があり、骨と関節以外に筋肉や腱、靭帯、関節の動きをよくする袋(滑液包)や関節を包み込む袋(関節包)などの軟部組織から構成されています。この軟部組織の徐々に進む炎症(痛み)と運動制限を特徴とした疾患を肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)と言い中年期以降に好発します。自然治癒すると思われがちですが、実際には、痛みや拘縮(可動域制限)が強く、症状が遷延する例が多い為、早期の診断・治療が必要となります。

 
 
                                           日本整形外科学会ホームページより引用

肩関節周囲炎の診断

問診、画像検査、可動域測定などの検査を行い、診断をします。画像検査ではX線(レントゲン)撮影を行いますが、異常が見られないのが特徴です。また患者様の経過に応じて軟部組織の状態を精査する為に関節像影検査、MRIを行う場合があります。 

肩関節周囲炎の症状 

肩関節周囲炎は経過によって炎症期、拘縮期、解凍期の三つの病期に別れ、それぞれで症状が異なります。炎症期は安静時と夜間時の痛み、可動域制限、動作時痛が強く生じます。痛みが強く夜眠れない場合には、石灰性沈着炎の可能性もある為、早期診断が必要です。拘縮期では痛みが徐々に落ち着きますが、可動域制限が残ります。制限の特徴として手を上げる動き、背中に手を回す動きなどが特徴です。解凍期では可動域制限が徐々に改善し、日常生活での支障は少なくなってきます。 

肩関節周囲炎の治療方針 保存療法 

炎症期

痛み、可動域制限が強い場合、消炎鎮痛薬や注射、湿布薬を処方し安静をはかります。またリハビリでは関節が癒着しないようにリハビリスタッフ指導のもと、痛みに配慮しながらリハビリを行って行きます。痛みが強い場合にはアイシングなどの物理療法や徒手的に痛みを緩和する治療、痛みを出さないためのポジショニングをご案内させていただきます。


安静ポジション指導

可動域を広げるリハビリ

拘縮期

可動域制限や痛みが強い場合、注射で症状の改善を図ります。リハビリでは積極的な運動療法により、肩関節の動きを広げていきます。リハビリスタッフの指導のもと、個人のお仕事やスポーツ特性を踏まえた動作練習やトレーニングを行います。
 

解凍期

可動域制限が強い場合、注射を行う場合があります。またリハビリでの積極的な運動療法により、肩関節の動きの拡大を目指します。リハビリスタッフの指導のもと、肩周囲の筋力強化や腕を挙げるための土台となる肩甲骨を安定させるトレーニングなどを進めていきます。また、目標とするお仕事やスポーツへなどの活動復帰に向けて、それぞれの特性を踏まえた動作訓練を行います。
 

肩関節周囲炎の治療方針 手術療法

 
関節が癒着してしまった場合には関節鏡視下での受動術を行う場合があります。当院では肩関節の専門外来があり、専門医によって手術が行われます。