変形性膝関節症

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は関節軟骨がすり減ることにより、大腿骨と脛骨を結ぶ関節や膝蓋骨と大腿骨を結ぶ関節に変形が生じる疾患です。関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使いすぎによりすり減り変形していきます。また、骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、関節リウマチ、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがあります。原因は、関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因(遺伝)も関与しているとされています。男女比は 1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。
                     
 

                                                         2005年国勢調査の人工動態をもとに算出
 
 

変形性膝関節症の症状

 
主な症状は、膝の痛みと水が溜まることです。初期では立ち上がり、歩き始めなど動 作開始時のみに痛み、休めば痛みはとれますが、正座や階段昇降が困難となり(中期)、末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、膝がピンと伸びず歩行が困難になります。

グレード1
関節軟骨が少しずつ傷つき始めます。小さな骨棘がみられることがありま
すが、ほぼ健康な状態で外からは変化がわかりません。
グレード2
関節軟骨の弾力がなくなり、関節への負荷が1箇所にかたよってきます。関
節の隙間が狭くなったり、骨棘ができ始めている状態です。
グレード3
関節の隙間がさらに狭くなり、骨棘がさらに作られている状態です。痛み
O脚・X脚の度合いが強くなってくるため、日常生活に支障を感じるよう
になります。
グレード4
関節の隙間がほぼなくなり、骨と骨がぶつかっている状態です。体を動か
さなくても痛みを感じ、変形はさらに進みます。手すりや杖なしでは歩く
ことが難しくなります。
 

変形性膝関節症の診断

 
問診や診察、時に触診で膝関節の隙間の圧痛有無、関節の動きの範囲、腫れやO脚・X脚変形などを調べます。診断は、X線(レントゲン)検査で診断し、必要に応じてMRI検査をします。
             
 
 
 

 
グレード 1 2 3 4
骨棘形成  あり  あり あり あり
関節裂隙狭小化  なし  あり(狭くなる程度が1/2以下)  あり(狭くなる程度が1/2以上)  あり(隙間が消失)
軟骨下骨の骨硬化  なし  あり  あり  あり 

               変形性膝関節症 Kellgren-Lawrence 分類
 

変形性膝関節症の保存療法

 
治療は1つの治療方法だけでなく、薬物療法、注射、装具療法、リハビリといった治療を状態に合わせ、組み合わせながら行うことが効果的です。
・薬物療法
膝に直接貼る薬や膝に直接塗る薬の外用薬や、身体の中に薬を入れることで効果を発揮
する内服薬・坐薬があります。
・注射
ヒアルロン酸注射:膝の関節軟骨に栄養を与え、関節の動きを滑らかにします。
ステロイド注射:膝の痛みを軽減させる作用
関節穿刺:関節液が溜まり関節の動きを悪くしている場合は、関節液を抜きます。
・装具
足底板やサポーターを使用し、O脚やX脚の変形による負担を減らします。
・リハビリ
水中歩行やストレッチを行うことで、関節の動く範囲を広げたり、関節周囲の筋肉を鍛
えることで、関節にかかる負担を軽くすることができます。
       
 
 

 
 

変形性膝関節症の手術療法

 
【術後3週間】退院
膝の痛みがとても強く普段の生活に支障が出てしまう方や治療を長く続けているが、効果が現れない方は手術を行うこともあります。入院期間は2-3週間で、退院後もリハビリは継続していきます。
・術前後のリハビリスケジュール
 
 
・術後リハビリで大事なこと
痛みが出るほどに無理をしない
下肢挙上の習慣化(膝・下腿を腫れさせない)
術前以上の可動域を早期に獲得する
自主トレを毎日実施する(運動の習慣化)