骨粗しょう症の
専門外来

年齢を重ねると、自分では意識しないうちに骨が弱くなっていることがあります。超高齢社会を背景に、骨が弱くなる病気である骨粗しょう症の患者様は増えてきました。特に女性は閉経後、エストロゲンの減少によって骨密度が急激に減少することがあるため、注意が必要です。女性は60歳、男性は75歳を過ぎたら、一度検査を受けるようにしましょう。当院では骨粗しょう症の早期発見と正しい診断に向けて、全身型DEXA(デキサ)法による骨密度検査を行い、一人ひとりに合った治療に努めています。必要に応じて、地域医療機関との連携を強化して治療を進めていくほか、医師を中心に多職種スタッフが協力し合い、骨粗しょう症の予防と改善、骨折の防止に取り組んでいくリエゾンサービスも導入しています。

骨粗しょう症

基本的に、骨粗しょう症は自覚症状がありません。しかし、骨がもろくなっていることから、ちょっとした転倒などで簡単に骨折してしまうほか、「いつの間にか骨折」を起こしている場合もあります。これは骨が体の重みに耐えきれずに椎体がつぶれる脊椎圧迫骨折(脊椎椎体骨折)のことです。「若い頃に比べて身長が4センチ程度縮んだ」「壁に背中をつけて真っすぐ立ったときに頭が壁につかない」などの場合、脊椎圧迫骨折の可能性が高いため、受診してください。背骨のほか、手首や腕の付け根、大腿骨では立った状態からの転倒でも脆弱性骨折が起きやすく、骨折部に痛みが出現します。脆弱性骨折は他の部位にも「骨折の連鎖」を起こし、寝たきりの原因にもなるため、注意しなければいけません。

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こんな症状でお困りの方はご相談ください

  • 若い頃と比べて、身長が低くなってきた
  • 背中が曲がってきた、もしくは背中の曲がりを指摘された
  • 何もしていないのに背中や腰が痛い
  • すぐに満腹になってしまう
  • 以前着ていた服のサイズが大きい

骨粗しょう症の検査

まずは、医師や看護師から骨粗しょう症に関する質問を行います。病歴や食生活、運動習慣、喫煙や飲酒、生活習慣病罹患の有無、骨折歴のほか、女性の場合は閉経の時期などをお聞きします。なお、この時点で過去に脆弱性骨折をしたことがある患者様は、骨密度の数値などにかかわらず、骨粗しょう症治療の対象です。問診の後は、骨密度を測定します。当院では、日本骨粗鬆症学会のガイドラインで推奨されている全身型DEXA法による骨密度検査を導入しています。股関節と腰の骨密度を測定し、若い人の骨密度の平均と比べた上で「骨粗しょう症・骨量減少・正常」の3段階で診断します。必要に応じて、背骨の骨折の有無を確認するエックス線検査や、血液検査、尿検査なども行います。

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骨粗しょう症の治療

薬物・食事・運動療法を行います。薬物療法では骨吸収のスピードを抑える薬、新しい骨を作ることを促す薬、骨を壊す作用と新しい骨を作る作用のバランスを調整する薬など数多くの種類の中から患者様の年齢や骨密度、骨代謝の状態に合った薬を選択します。食事療法では骨の元となるカルシウムやタンパク質などの栄養の吸収を目指して、バランスの良い食事などを看護師が指導します。また、骨粗しょう症の患者様はロコモティブ症候群になっている場合も少なくありません。当院のリハビリテーションルームにて、医師の診断に基づき、理学療法士が患者様の状態に合わせた運動療法を実施します。治療の継続が何よりも大切ですので、根気強く続けていきましょう。

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骨粗しょう症の治療に対する当院の取り組み

地域医療機関との連携

地域全体で骨粗しょう症の患者様を支え、治療率・治療継続率を向上させていくために、当院では地域医療機関との連携に取り組んでいます。ご紹介の患者様を数多く受け入れていますので、気軽にご相談ください。また、患者様がかかりつけの先生から骨粗しょう症の可能性を指摘された場合、当院にて骨密度検査や骨代謝マーカー測定などを行い、診断結果をもとにかかりつけの先生に治療法などを提案させていただくことも可能です。その後も定期的に当院にて再検査・測定を行いながら、かかりつけの先生のもとで治療を継続していただきます。

リエゾンサービスを導入

日本骨粗鬆症学会では骨粗しょう症の啓発・予防・診断・治療に向けて、多職種連携システム「骨粗鬆症リエゾンサービス」を策定しました。当院においてもリエゾンサービスを導入し、医師を中心に多職種スタッフが協力し合い、骨粗しょう症の予防と改善、骨折の防止に向けて取り組んでいます。必要に応じて、「骨粗鬆症マネージャー」が在籍する外部の医療機関との連携も強化し、治療効果や治療継続率の向上につなげているのが特徴です。骨粗しょう症は治療を継続して行っていくことが欠かせません。多職種スタッフによるチームでしっかりサポートしていきますので、前向きに取り組んでいきましょう。